最終更新 2002.10.15
![]() 天文ガイド2002年10月号で星雲星団撮影の作例が紹介されています。 10.9追記 天文ガイド11月号にもコンポジットした画像が掲載されていました。 また、沼澤茂美氏の「独自のノイズリダクション処理が行われていると思われる」というコメントがありました。QV-3000EXなどの処理と異なり、あらかじめカメラにノイズ情報が記憶されていて、撮影画像から減算処理しているというものです。驚異的な低ノイズから、おそらくそのとおりではないかと思います。バックグラウンドの感じがノイズリダクション処理時のQV-3000に似ている(ノイズが出ていないピクセルから減算処理したときに出る星雲部の黒い点がある)ことからも、そのことがうかがえます。 | |
各部のインプレッション | |
●記録メディア スマートメディア(以下SM)とマイクロドライブ(以下MD)のダブルスロットです。MDは容量が大きいのですが、動作環境が5〜40度と低温に弱いようです(ちなみにカメラ本体の動作環境は0〜40度です)。 QV-3000は氷点下10度でも支障なく動作しましたが、小型のHDDであるMDでは冬場の撮影が不安なので、購入しませんでした。 現在、128MBのSMを使っていますが、RAWデータだと9枚しか記録できません。コンパクトフラッシュ(以下CF)は動作保証外ですが、メーカーによっては動くものもあるようです。手元のサンディスク製の64MBは動作しました。ただし、SMだと1枚のRAWデータの書き込みに数秒しかかからないところが、CFは十数秒以上(正確に測っていませんが4〜5倍ぐらい)もかかってしまいます。雑誌の記事によればMDだとSMの倍程度の書き込み時間のようです。 ●ファインダー ベースカメラがニコンF80ですが、フィルムサイズよりCCDが小さいため、周囲がマスクされて、大変小さいファインダーになっています。元々AFカメラはファインダー倍率が低いこともあり、これまで使っているニコンNewFM2に比べると非常に見づらいです。直焦点や望遠レンズの場合、明るい対象であれば何とか導入できます。28mmや50mmレンズでの場合は概ね3等星以上であれば楽々見えるといった感じです。 ●ピント合わせ 望遠鏡や望遠レンズでのピント合わせですが、一等星であればフォーカスエイドが動作します。ただし、合焦範囲に結構幅があるためか、精度が悪いのか、大気の揺らぎのせいか、正確なピントは出ませんでした。 結局、マグニファイアーでファインダーを覗いて合わせています。いずれはピント合わせ用のアダプター(天文ガイドで頒布されているようなもの)を自作したいと思います。 |
●露出時間 感度と画質のバランスから主にISO800で撮影しています。この場合、ほぼ無光害と言える場所での適正露出は、F2.8で2〜3分、F5.1直焦点で4〜8分程度のようです。同ISO感度のフィルムに比べ3〜5倍の高感度です。 ●ガイド(直焦点撮影の場合) 露出時間5分程度であれば、ビクセンスーパーポラリスでノータッチで追尾できるかと思っていました。しかし実際にはガイドずれが目立ちます。 赤道儀の精度は以前の簡易的な測定でピリオディックモーション+-9秒角程度と悪くはありません。実際539mm・67判での撮影では、10分ノータッチ追尾が可能でした。CCDピクセルサイズがフィルム粒子より細かくてガイドずれが目立ちやすいのだと思います。実際の焦点距離はリアコン併用で539mmですが、ガイドに必要な精度は35mm判換算時の808mmと同等と考えたほうが良さそうです。 ●画像処理 別売りのソフト(HS-S2)を使えば12ビットRAWデータの展開が出来、16ビットTIFFとして出力できます。しかしWindows Me以上でないと動作しません。当方未だにWin98SEを使っており、現在の環境もできれば変えたくありません。そのため、Win98SEとXPのデュアルブートにすることを考えています。 現状は付属ソフトでRAWデータを8ビットTIFFに変換して加工しています。この8ビットTIFFは、撮影時の設定通りの展開しかできません。階調はJPEGと変わりませんが、ハニカムCCDの特性上RAWから展開したほうが解像度の点などで高画質なようです。 |
作例画像 | |
●星雲星団撮影![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | |
●固定撮影![]() | |
●ISO感度設定を変えた場合のノイズの様子 |