パソコンはタイピングが基本です

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Wact制作チーム代表 山本美孝

 最近のパソコンは、初心者でも簡単に操作できるようにユーザーインターフェイスが洗練されてきました。しかし、ワープロ・表計算・パソコン通信・インターネットなどで本格的に活用しようとすると、あの一見デタラメなキーボードの配列に悩むことになります。

我流でも慣れてくればそこそこは速く打てるようになりますが、最初が肝心です。初めからキーボードを見ずに左右の指をフルに使って打つことを目標にしましょう。思っていたよりも遥かに簡単に タッチタイピング が身につきます。

 大金をはたいて買ったパソコンを活かすも殺すも、実はキーボードをマスターできるかどうかにかかっているのです。でも苦行が必要なわけではありません。まるでRPG(ロールプレイングゲーム)で経験値をアップさせるように楽しめばいいのです。

タッチタイピングのために、まずは正しい姿勢をとりましょう。椅子に深く腰掛けて背筋を伸ばして下さい。肩の力を抜いて両手をキーボードに向けて伸ばして下さい。そして両手を軽くキーボードに乗せます。その位置は決まっていて


左小指は A
左薬指は S
左中指は D
左人差し指は F

右人差し指は J
右中指は K
右薬指は L
右小指は ;

 

にのせることになります。

これを、ホームポジションと呼びます。慣れるまでは手元を安定させるためアームレストや机に手首付近をのせ、安定させましょう。上達したら、手元は完全に浮かせて打てばよいのです。

 とりあえずホームポジションのキーを押してみましょう。たとえば、右人差し指を押すと J を入力できます。この時に他の指はそのままの位置を保つことを忘れないようにして下さい。左人差し指を押すと F が入力できます。このように各キーを押す指を振り分けて、他の指の位置は動かさないで打ちます。

 ホームポジション以外のキーについては、各指ごとに担当するキーが決まっています。例えば、左小指はホームポジション A の斜め上下にある Q と Z のキーを担当します。

Q を打つ時には、左小指を A の位置から左斜め上にずらして押します。 Z を打つ時には、左小指を A の位置から右斜め下にずらして押します。同様に、左薬指はWSX左中指は EDC を担当することになります。

 動きやすい人差し指はホームポジション以外に、もう一列分を担当します。左人差し指は RFV の他に TGB 、右人差し指は UJM の他に YHN も担当するわけです。人差し指は2列担当するのでややコツが必要です。 内側のキーを打つ時に、やや「踏みこむ」気持ちで指を伸ばさなければいけません。

 このように、ホームポジションの斜め上下のキーを覚えるだけで(4+1)×2×3=30個のキーを打てることになります。これだけで、英字(あるいはローマ字)入力をカバーできるのです。

 また忘れてはならないのが、シフトキーの正しい押しかたです。シフトキーは左右についています。つまり「キーを打つ側の反対側の小指でシフトキーを押す」ようにして下さい。たとえば、 < という記号を入力する時には、左小指でシフトキーを押さえ、右中指で , を押すことになります。

 練習する時に必要なのは、絶対にキーボードを見ないことです。気が急いてキーボードを見たくても我慢しましょう。「急がばまわれ」の気持ちで取り組むほうが、かえって早い上達につながります。

 また指の担当は必ず守って下さい。ホームポジションとの相対位置で指に覚えこませるのです。その時の気分で違う指で打つと、タイプミスを増やす原因になります。キーを打った後は、必ずホームポジションに指を戻してから、次のキーを打つようにしましょう。

 練習していると普段使わない指(特に小指と薬指)を使うため、指の筋肉がつりそうになったり、手がこわばるような感じになります。しかし、はじめのうちだけですから辛抱して下さい。そのうちに慣れて懐かしい思い出にかわります。

 目標速度についてよく言われるのが 手書きよりも速く入力できる ことです。ちなみに、日商のワープロ検定では、かなと漢字が混じった文章を10分あたり、3級で400字、2級で600字、1級で900字くらい入力できることが求められます。 スゴイ! と言われるのはワープロ検定2級以上で、それくらい打つにはタッチタイピングが不可欠です。
 タイピングが上達するにつれ、指が、頭に浮かんだ言葉をまるで自動書記のように打ちはじめる快適さが経験できるはずです。

なお、筆者はローマ字もJISカナ配列もタッチタイピングできますが、カナはローマ字の3倍の練習量が必要でした。またカナには親指シフトという優れた配列があるものの、ややマイナーなのが難点です。 いずれにせよ、初心者の方はまずローマ字をマスターするのが無難と言えるでしょう。

 タッチタイピングの練習をしている時の手応え、「確かに進歩した」ということが実感できれば練習は続きます。そうすれば、ますます指の動きが速くなり、いつのまにかパソコンの達人になった自分に気づくでしょう。応援しますから、頑張って下さい。

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