Fairy tale

2004年12月

 つきあい始めて半年が過ぎた男の子と女の子がいました。
クリスマスも近づき休み時間には「ねえ、プレゼント何にする?」「どこかに行くの?」 そんな会話があちらこちら・・・女の子も思っていました。
イブに雪が降ったら・・・
イブの朝カーテンを開けてみるといい天気。雪など降りそうにもありません。
男の子は毎日彼女を家まで送ってきてくれました。
学校から彼女の家の前まで・・それがいつもかわらない二人のデートでした。
逆方向に帰る男の子を女の子はいつもいつも見えなくなるまで見送っていました。
イブに雪が降ったら・・・・
クリスマスイブもそのデートコースは変わりませんでした。
そしてひとつ、ふたつ・・・ふわふわとした雪が舞い降りてきました。
男の子は初めて女の子の手を握って自分のコートのポケットで暖めてくれました。
それが二人にとって初めてのクリスマスでした。