2004年3月 「Yですが、・・・」 パパが盛岡に出張でいない夜、電話がかかってきた。 パパの大学時代のお友達で某テレビ局のアナウンサー。 一高の甲子園行きが決まってからというもの広告を求める新聞社や雑誌社の電話がとても多かった。 ここにきて彼から電話をもらってもなかなか信じることができない。 かつてママにはこんな失敗談がある。 高校を卒業した2人の子供達には何だかわからない電話がよくかかってくる。どこで名簿を手に入れるものかはわからないけれどその数はすごい!! それから予備校の電話も・・・ ある日、「ゆうじ君いますか?」と電話。 どちら様ですか?と聞くと「Kです。」 K何君?と聞くと「高校時代の同級生のKFです。携帯を壊してしまったので・・」 これをすっかり信じてしまったママは「あ〜らF君風邪でもひいたの?」と話して東京の電話番号を教えてしまった。 携帯の番号を教えなかったのはラッキーだったけれどすぐにお兄ちゃんに電話したらやっぱりそれはF君ではなかった。 特に被害はなかったけれどすっかりだまされたママはもうがっかり・・・ お兄ちゃんにも「名前だけじゃだめだよ。飼ってる犬の名前とか聞いてごらん。」 と言われてしまった。 そんな失敗があったので なおさら疑い深くなっている。 色々話してみる限りY君にまちがいはなさそうだ。けれどあちらの電話番号を教えてもらってパパに連絡した。 パパもなんだろう?って半信半疑で電話を入れてみたら本人に間違いなかったという。 彼は盛岡で仕事があるので途中下車して会いたいと電話してくれたのだった。 パパは彼の結婚式以来20年ぶり、ママなんて大学時代にあっただけだから30年近くにもなる。時々テレビで顔をみることがあってもそれは一方通行。 彼は全然変わっていなかった。むしろパパの白髪がいやに多く見えた。 お姉ちゃんと「また、標準語の世界に入ったね。」とひそひそ話をしながら思い出話に時の経つのも忘れた。 新幹線の時間まで数時間だったけれどうれしそうなパパの顔。 夜には大学時代の話でまたママと笑ってしまった。 甲子園でも懐かしい顔にたくさん会えるだろう。 けれど彼に思いがけず会えたこととてもうれしかった。 |