カサブランカ

2003年8月

 お祭りが近づくとどうしても一号のことばかり想い出してしまう。
もう5年も過ぎてしまったのに、想い出すことはどんどん増えてくる。
時が経って想い出すことがこんなに多いものなのかと自分でもびっくりしてしまう。何気なく暮らしていたことの小さな出来事・・・その積み重ね。
むしむしする暑さ。
花火。
一号が最後に口にした桃。
その時と変わらない夏に自分の気持ちをもてあましてしまう。
ぷりんとの暮らしが長くなればなるほどいつもいつも思うこと・・・・
一号はきっと私達の側でこのお家で逝きたかったのではないか?
どうにもならないこと、でもふっと考えてしまった。
8月になると我が家はカサブランカの匂いでいっぱいになる。
余震の続く今年は窓際の一号スペースに大きな花瓶を置くのが怖くて家の数カ所に分けて飾ってある。
そのためだろうか、いつもより家中が素敵な匂い。
どこにいてもお空から一号が戻ってきたような気持ちになる。
忘れないから・・・絶対いつも一緒だから・・・・
年甲斐もなくメランコリックな気持ちはカサブランカの魔法。