ウルルンだって?

2003年5月

 ママは日曜夜に放送される『ウルルン滞在記』を楽しみにしている。
その影響でホームステイの最後はみんな涙のお別れになると信じていた。
前の子のお別れの日はハンカチまで用意して気持ちも盛り上がって駅に見送りに行ったのに、彼はバイバイ!!と笑顔で帰っていった。
もちろん、あちこちではウルルンの光景があったのに・・・・
彼がとてもシャイでそんな別れ方を選んだのかもしれないが気負い過ぎたママはがくっときた。そしてママの受け入れ方が悪かったからかなあなんてどうにもならないことを考えたりした。

Vにとって日本最後の夜はホテルでのお泊まりだった。
その夜は学校主催のさよならパーティーがあった。
感想を言い合ったりしているうちにあちらこちらでは涙、涙。
次女なんてオイ、オイ泣いている。
ママは「やっぱり、一生懸命お世話すると涙もでるんだろうね。」なんて軽口をたたいていた。
Vも泣いていなかったし、ママのなかでは疲れたーを連発しながらお世話していた自分に泣く権利なんかないんじゃないか?なんて意地はっていたところがすごーくあったし・・・
とにかく意地っ張りのママは涙がでそうになってもぐっと我慢していた。
家に帰ってVが寝ていた部屋に行ってみた。
前と同じようにがらんとしている。

ため息をひとつ・・・・

夜、布団に入ってウルルンを見た。
いつもはなにげなく見ている人の表情や気持ちがやけに心に響く。
自分のお別れは涙を流すまいと頑張ったくせに、テレビを見ながらグスグスと泣いてしまった。
明日の朝はどうなる?
やっぱり泣いてしまうのかなあ?