戸籍抄本

 「婚姻届を出すから戸籍抄本をとってきて。」
長女から電話があった。
市役所にいって抄本をとってくる。
それをながめながらまたまた長女がお嫁に行くことを実感。
少しの間涙をこらえる。

進んでいく一つ一つのものにため息がでる。

「女の子が生まれてお嫁に行くときは必ずウェディングドレスを作ってあげたい。」
特別な根拠はないのだがずっとそう思っていた。

だから長女にもつくってあげようと話は進んでいた。
けれど
たった一度着られたドレスは実家の納戸にしまわれて時々ママがさわって懐かしむ程度にしかならない。
それでもいいのかもしれないけれど何度も使ってもらえるものの方がいいのかも・・・
さしたることもないママの悩みがはじまる。

あれや、これやとこんな時間をママは楽しんでいるのかもしれない。

さて、婚姻届の縁の色、それは茶色です。

区役所にもらいに行った二人は始めて知ってびっくりしたそうです。

次女が遊びに行ったときもその婚姻届をみて「なんで緑色じゃないの?テレビで見るのは緑色だよ!!!」

ママはまたため息がでます。