懐かしい声

2012年9月

 我が家には月に1.2度銀行の渉外さんがきてくれる。
銀行は転勤が多いので2.3年で移動になる。
今まで何人のかたにお世話になったのだろう?
申し訳ないけれどはっきり覚えていない。

もう20年以上前かもしれない。
我が家を担当してくれた渉外さんはとてもユニークな方だった。
100人がみても銀行員だと答える人はいないだろう。

三陸訛りの言葉でとても威勢がいい。
我が家になついてくれて仕事以外にもよく顔を出してくれた。

それから転勤して5.6年前に病気だと聞いた。

あの元気な彼からは想像できない。

実家は釜石なので津波の時もパパと一緒に心配していた。

どうしているんだろう?体はよくなったのだろうか?

先日本部の方がお見えになった。
雑談の中で彼の話がでた。

彼は病気を克服して支店長になっているそうだ。
「相変わらずのあの調子で成績あげてますよ。」

自分身内でもないのにとてもうれしくなった。
彼が今も
あの彼でいてくれる!!!
心からよかった!!と思った。
胸のつかえが取れたような気がした。

「お会いする機会があったらよろしく話してください。」

まもなく電話がなった。

なんと彼だった!!!

本部のかたが気を利かしてすぐに彼に電話をしてくれたらしい。

昔とかわらない声、方言。
元気にがんばっているようだ。

我が家に来ていたときの彼の姿が浮かんだ。

人には色んな出会いがある。
もちろん別れも・・・

彼との出会いもママの大切な一つだ。
いつ会えるかは分からないけれど、鼻歌まじりの一日になった。