花ちゃん

2012年2月

 花ちゃんはポチ会の先輩だ。
なかなかほかの子と仲良くなれない。
凶暴になるのではなくてガタガタ震えてしまうのだ。
パパもママもそれを治そうと思って一生懸命だった。

運動会でもレッスンでもはしっこのはしっこにいつもいて場所に来るまでだっこしたパパが一走り・・・なんてのはよくある光景だった。

ぷりんもなかなかほかのわんこと遊べないし、それに加えてりゅう君も一緒だとママ同士が話をするなんてこともできない。

遊水池の端っこと端っこをお散歩しながら手を振るのがご挨拶。

そんなS家に男の子が生まれ花ちゃんはおもちゃ同様にY君に遊ばれた。けれどそんな時間、花ちゃんはとっても幸せだったんだろうと思う。
花ちゃんと数年前に最初にお空にいってしまったRちゃんとY君はいつも一緒のお散歩。あちこちにいって一番大変だったのはY君だった。

それから大型犬が2匹増えてそれでも花ちゃんはなんとなくマイペース。ほかのわんこにはむずかしかったけれど家族はちゃんとわかっていた。

S家はわんこのほうが場所をとっていてどこかにいくのにも「ごめんね。ちょっとどけて。」状態だったと思う。

お散歩も3匹わんことママとY君。

何年か経つうちに影絵のように見える彼らのお散歩の先頭には大きなわんこをつれて歩くとっても背の大きくなったY君がいる。

長い間色んな病気と頑張ってきたはなちゃんはやっぱりお空にいってしまった。

生まれたときからずっと一緒だったY君を考えると簡単に言葉は出ない。

最後までS家のみんなに愛され、できることのすべてをしてもらい花ちゃんはこれ以上がんばれないくらいまで頑張ったのだと思う。

それでも私たち人間は実に勝手でもっともっと生きていてほしいと願ってしまう。