報道

2011年4月

 どんな仕事も大変だし、その仕事に対する使命感はみんなが同じように持っている。
この1ヶ月、テレビをかけていないと自分だけが何も知らないでいるような気持ちだった。
少しずつ平常番組が多くなる。
ニュースでみる被災者の顔はどんどん疲れがたまっている。
1ヶ月はあっという間だったと思う。
夢か現実かわからないままにただまわりに流されて時を重ねてきたに違いない。

アナウンサーは凄いと思った。
どんなときでも冷静に文面を読み、粛々と番組を進める。
それが彼らの、つらいけれど仕事だから・・・・

今までにアナウンサーが泣いてしまって声がでなかったのを聞いたのはたった一度だ。
「すみませんでした、つい気持ちを抑えられませんでした。」そういってまた次のニュースを読んだ。

ママはそのニュースに涙が止まらなかった。
まだ震災直後でラジオのニュースだったけれど「本当にありがとう、お疲れ様。でも私たちにはあなた達しか頼る人がいないのだからよろしくね。」

報道の力は恐ろしい。
それを一番に感じているのはもちろん当事者だ。

けれどママ達はちゃんと見ている。
目にいっぱいたまった涙、カメラが動いていないときの嗚咽。

お疲れ様です。色んなしがらみがあるでしょうが私たちはあなた達の正確な情報を待っています。