2010年7月

 子ども達が小さいとき、今のおうちに移る前、周りは田んぼばかりで家の中にかえるや蛇までやってきた。
網戸にはほたるがいっぱいで電気を消して子ども達と楽しんだものだった。

それから30年近く家の周りには田んぼが一枚。
休耕田が2枚くらいしか残っていない。
あとは家が建ち人も多くなった。

蛍がいまもいるかなんて考えたこともなかった。

連日35度を越える猛暑日。
夜ゴミを捨てに行ったお兄ちゃんと次女がなかなか帰ってこなかった。何かあったのだろうか?と心配になって外にでたら「ママ、ほたるだよ。」
と次女が教えてくれた。

はかなげに、うっすらとした光、それは間違いなく蛍で、こんな場所にもまだいるんだ・・・と思わず感激してしまった。

昔のようにたくさんはいなかったけれどポツ、ポツと見える光。
「白内障の手術しててよかったね。」

確かに手術前なら見えないほどうっすらとした光だった。