不定期連載「転落日記」

 

はあっはあっはあ「・・・・や・・殺っちまった・・・。」

この目の前に横たわる、もはや動かない肉の塊。

血まみれのウォーホーク。

そしていつまでも耳にこびりつく断末魔。

これらは紛れもなくたった今起こった事を物語っている。

「しかたなかったんだ・・・これは事故だ!」自分を納得させ、落ち着かせようとする。

「そう、しかたなかった・・・。」

その人は別にマーダーなわけでもなく、名前が赤色どころか灰色でさえなかった。

私はただ道なりに歩いていただけなのに、突然T字路の物陰から飛び出してきて何事かをわめきたてながら

(どうやら「私と戦え!」と言ってるらしい)攻撃を仕掛けてきた。

私は落ち着いてその人物を観察する。

見る限りでは素手。ローブとマント、それに覆面をしているが、鎧を着込んでいる様子がない。

そんな人を攻撃するわけにはいかない。

私は攻撃の意志を示さず、どうしたものか?としばし躊躇していた。

そのとき・・・

「うぉぅぁ・・」

え?・・・一瞬何が起こったのか理解できなかった。

目の前には今の男が倒れている。そして・・・後は冒頭のとうりだ。

「そう、これは事故・・・事故なんだ。」そう思い込もうとする自分。

しかしそのすぐ後ろには今その男を貫いたウォーホークの感触が忘れられない自分がいた・・・・。

続く(かも)

 

不定期連載「転落日記」2

 

ふ・・・季節は12月・・・街を歩けばいたる所に鉢植えのクリスマスツリー・・・

心なしかカップルが多い気がする。

こちとらPKされるわ装備はなくなるわMPは上がらんわ気に入った武器は手に入らんわ

秘薬は買い占められているわ銀行の残高は少なくなるわ鍛冶スキルは上がらないわ

ボーナスはいつ出るか分からないわで散々だってのに。

ぬう!見れば見るほど他人の顔が幸せ一杯に歪んで見えるわ!

ぐ・・・そこのカップル!(ただたんに横に並んでいるだけの二人)

そっちでいちゃついてる奴等!(どうも商談しているようだ)

くは!そこ!じゃれあってんじゃねえ!(スリとそいつをいぢめている人)

ぐぐぐぐ・・・ニクイ!憎いぞう!

この熱くたぎる黒い炎でおまえら消し炭にしてやりたい気分で一敗だ!(すでに負け)

(・・・・・)ん?誰かが私に語りかけている・・・?

(・・・・)をを!あなたは!!

(・・・・?)ええもちろん!

(・・・!!)おお!ありがたきお言葉!(以下不気味な一人ゴトが続くので省略)

そして12月25日・・・奴が来る!(ヤツって誰さ?)

 

「不定期連載」転落日記3

 

壱拾弐月弐拾伍日。

現在時刻2300。銀行へ向かう。

自分用の金庫から必要なモノをとり出す。

必要最低限の持ち物とコスチューム。使わない物は金庫にすべて預ける。

赤いブーツ。グローブ。赤いマント。そして怒りの形相のマスク。

すべてを装備。

毒の瓶。少しばかりの秘薬。スペルブック。酒。硬いパン。

もはや用の無いクリスマスチケット。

用意は出来た。軽く酒をあおる。安物だが、まあ酔えるだろう。

噴水の側のクリスマスツリーが空しくきらめいている。

マスクをした人物が近づき、声をかけてきた。

「会場は西の畑だ。」その言葉に肯き、会場に向かう。

街は人であふれ返っている。人ごみをぬって歩く。

パーティー会場はすでに人であふれていた。

テーブルには酒や料理が並べられ、舞台では音楽の演奏も行われている。

まず手初めにテーブルに近づき、そっと毒の瓶を酒といっしょに並べて置く。

並べてある料理は片っ端から腹に叩き込み、酒を端から順番に流し込む。

次に舞台へ上がる。

ハープを演奏している音楽家をつき飛ばし、代りに華麗な演奏を奏でてやる。

そろそろ本番といこうか。

空になった酒瓶を放り投げ、呪文を唱える。

今唱えられる呪文の中では最高LVに当たる呪文だ。

まあ成功する確立は50%というところだろう。

「剣の精霊」。召喚されると術者の意図とは関係なく、無差別に攻撃を行う。

こいつを会場に放てばさぞかし愉快な光景になるだろう。

詠唱が終わった。

その瞬間、世界は灰色に変わった。

 

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